正しくしゃがめない(座れない)事が、腰椎拘束と使えない股関節にしていく
相談内容:股関節の硬さ、可動の低さ
治療家、ダンサー Eさん
同様のご相談は多く、皆さん一様に股関節のストレッチを網羅してきます。しかし、実際は股関節そのものの筋肉拘束だけでなく、膝、足首との連動状態や、腰椎との連動状態も関わっており、股関節周辺だけのアプローチには限界があります。(腰椎との連動は当然、背骨、頚椎、頭部、と結局、全身的な問題になりますが、ここでは主に、腰から下の動きに焦点を当てた記事とします。)
問題点を見つけるのに、いくつか動きのチェックを行いました。
正しいしゃがみ 間違ったしゃがみ
股関節に問題があるとしゃがめないことが多いのですが、Eさんは、一見、普通にしゃがめている様子。しかし、よくみると実際は脚の後ろ側の筋肉の伸縮運動がなく、代償として腰椎の引き伸ばしが行われているしゃがみ状態でした。しゃがむという動作は椅子の座りから、更に脚の屈曲を深くした状態ですので、そもそも日常的に椅子に座るという動作自体が出来ていないことがわかります。
このような状態にあることに気付けず、繰り返し行われる動作は、自分で自分の身体を崩しにいく行為です。実際は、ほとんどの方が、こうして老化を早めています。
そこで、立位からのしゃがみトレーニングを指導。
正確に行うには、「生理的湾曲のある胴体一体化でのお辞儀から座りにいく過程」を経て、しゃがみへの深い屈曲運動となります。今回はどこに的を絞ることが、今のEさんの身体に必要なことなのかを身体に知ってもらうためにザックリと2つの動作時におこる身体の反応の違いを感じてもらいました。
個別指導を受けると、皆さん日常の基本的動作がどのように出来ていないかを知ることになります。出来の良し悪しは立った感覚の変化でわかることも確認したEさん。今後のトレーニングの方向性が明確になりました。